藤波辰爾が「邪魔だった」長州力の反逆。数々の名勝負はガチの憎しみをぶつけた (4ページ目)

  • 松岡健治●取材・文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by Tokyo Sports/AFLO

 そして2019年6月26日、長州は自主興行による2度目の引退試合を後楽園ホールで行なった。6人タッグマッチとなったラストマッチで、真っ先に対戦相手に指名されたのは藤波だった。2人は、最後のロックアップで万感を込めた闘いを繰り広げた。

 リングを去ったライバルのことを、藤波はこう振り返る。

「あの引退試合の当日はそれほどでもなかったんですが、翌朝に目が覚めた時に『あぁ、もう長州がいないのか』と、寂しいような切ないような、いろんな感情がどっと押し寄せてきて......。かなり落ち込みました。あらためて、長州の存在が自分にとってどれほど大きかったのかを思い知らされました。

 最初は憎い感情しかなかったんですが、彼がいたから僕もレスラーとして成長できたし、ファンのみなさんにもジュニアヘビー時代とは違う藤波を見せることができたと思うんです。本当に、かけがえのないレスラーでした」

(第4回:前田日明との死闘>>)

■藤波辰爾が主宰する「ドラディション」は、『THE NEVER GIVE UP TOUR』と銘打ち、デビュー50周年記念ツアーを今秋からスタートすることを決定。
第一弾・・・10月31日@大阪・南港ATCホール 11月9日@東京・後楽園ホール
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