白川未奈が感じる日本文化の生きづらさ。レスラーにも奥ゆかしさを求められる? (2ページ目)
白川は本当にファンを大事にしている。昨年末、鼻骨骨折しておよそ2カ月間の欠場を余儀なくされたが、欠場中もファンに元気な姿を見せようとSNSを頻繁に更新していた。しかし、実はメンタルがかなり落ち込んでいたという。
「プロレスをしないと生きてる心地しないんですよね。プロレスを知らなかったらそういう気持ちにはならなかったかもしれないけど、やっぱりやりたいこと、好きなことがあるから、それができないということがめちゃくちゃ苦しかった。(3月3日の)スターダム日本武道館大会で復帰できて、今はすごくハッピーです。試合のスケジュールが決まっているということが嬉しい」
「本物のグラドルレスラーになる」ことが目標と語る白川 photo by Hayashi Yuba 根っからの負けず嫌い。常にいろいろなことに「悔しい」という思いを抱いているという。グラビア出身だからと舐められることも悔しい。女子プロレスがまだメジャースポーツではないというのも悔しい。女性はか弱くいなければいけないと言われるのも悔しい。そういう気持ちをすべてリングの上で爆発させる。それが自己表現につながる。だからプロレスは楽しい。プロレスは麻薬なのだという。「麻薬やったことないですけど」と言って、笑った。
白川がプロレスを初めて観たのは、2012年10月、新日本プロレス・両国国技館大会。ブライダル会社を退職し、グラビアアイドルとして頑張ろうとしていた時期だ。しかし頑張ると決めたものの、人前で水着を着ることに対して「恥ずかしい」「つらい」と思っていた時、プロレスと出会った。
「プロレスラーの方が命を張って、お客さんを感動させて盛り上げている姿を見て、私なんか弱音吐いてらんないと思えたんです。どのレスラーも闘っているだけで、その人が通ってきた人生が垣間見えるじゃないですか。やられている時の表情もそうだし、何事にも全力でぶつかってきた人は試合でも恐れず飛び込んでいく。そういうところに、ちょっとずつ表れるんですよね。だいたい、気になるなと思った選手をあとから調べると、ぶつかりながら生きてきた経歴があることが多くて。そういう人って強いんだなと思っていました」
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