日本レスリングが最大級のピンチ。スパーリングできない影響は海外よりでかい (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO


 外国人選手と日本人選手を比べた場合、一番の違いは体つきと体力です。私は専門家ではないので医学・科学的なことは言えませんが、DNAなのか、食文化なのか、小さい時からの育ち方なのか、明らかに骨格・筋肉の質が違います。

 私は現役時代、外国人選手と戦って肌身でそれを感じていました。彼らは私たち日本人と比べて筋肉がつきやすく、しかも落ちにくい。

 園田選手には悪いですが、日本グレコローマンスタイル最重量級チャンピオンの彼がオリンピック3連覇を果たした"霊長類最強"アレクサンドル・カレリンの100倍練習したって、あんな身体にはなれないし、あのパワーは手にできない。そんなことは彼も十分わかっています。それでも、外国人選手と戦えるように努力しているわけです。

 これまで日本人選手は、外国人選手の何倍も練習して身体を鍛え、体力負けしないように張り合ってきました。だが正直、今、それだけの練習ができているのか、引き離されていないか不安です」

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