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日本レスリングが最大級のピンチ。
スパーリングできない影響は海外よりでかい (3ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO


 そして、大橋監督がもうひとつ危惧しているのは、スパーリングができないことだ。

「バーベルを上げたり、走ったりするトレーニングで汗を流すのではなく、"とにかくスパーリングでビッシリと汗をかきたい"のが日本のレスリング選手です。それでも、選手たちは真面目にルールを守って、4月以降はまったくスパーリングをしていない。

 本格的な練習ができるようになったとしても、いきなりガチでスパーリングしたら、それこそケガをしてしまいます。最初は打ち込みで身体を慣らし、徐々に技術練習で感覚を取り戻していきます。以前のように100%の力で何本もスパーリングをこなせるまでには、ある程度の時間がかかります。

 もしかすると、海外のどこかではスパーリング練習をやっている国もあるかもしれない。そういう不安もあります」

 日本レスリングのスパーリングの多さは、海外でも有名だ。合宿で来日した外国人選手は、男女問わず、日本での練習についてこられない選手も少なくない。

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