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井上尚弥に不敵な挑戦状。キューバの
ベテランが「怪物狩り」を宣言 (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

 ただ、井上vsリゴンドーというカードに心惹かれるのは、一部の米メディアだけではないはず。アマチュア時代から英雄的なキャリアを過ごしてきた"キューバンマスター"は、井上の過去の対戦相手とは毛色の違う技量を持っているからだ。 

 最新のソリス戦は苦戦とも言える内容ではあったが、2回以降に示した距離感、ジャブ、確立されたスタイルは健在。スピードこそやや落ちたとしても、かつてドネアをも打ち負かしたカウンターの左ストレートは脅威で、打ちにかかったときの連打には迫力があった。

 バンタム級が本当に適したウェイトであるなら、リゴンドー はこの階級の多くの強豪にとって厄介な存在になる可能性を秘めている。井上は前戦で、同じく階級を下げてきたベテランのドネアに予想外の苦戦を強いられており、さまざまな意味で興味深い対戦ではある。

「(井上は)総合力に優れた選手で、すばらしいファイターだ。彼は試合が始まったら多くのことに適応してくる。しかしそれは、私が得意とすることでもある」

 リゴンドー自身がそう認めたとおり、井上も引き出しの多さでは負けていない。リゴンドーの打たれ弱さを考えれば、日本のモンスターがあっさり倒してしまってもおかしくはない。ただ、キューバ人の徹底したアウトボクシングに対して距離がつかめなかった場合、井上が左カウンターに苦しむこともありえる。

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