村田諒太の空前のビッグマッチに現実味。
本命カネロ、次候補ゴロフキン (2ページ目)
そもそもDAZNは、カネロとゴロフキンによる3度目の直接対決を望んでいた。しかし、過去の因縁からゴロフキンを忌み嫌う、カネロの説得に失敗。やむを得ず両者に独自の路線を歩ませているが、それぞれのファイトは興行的に成功していない。
米国内ではまだ知名度の低いDAZNは、加入者が伸び悩み、アリーナの観客動員も頭打ち。カネロが4階級制覇に挑んだ11月2日のセルゲイ・コバレフ(ロシア)戦でも、最大1万6000人ほどを収容するMGMグランドガーデン・アリーナの有料入場者数は、1万人と少しにとどまった。
結果として、1試合で3500万ドルの報酬が保障されたカネロ、約1500万ドルを受け取るゴロフキンがリングに立つたびに、DAZNは多額の赤字を計上していくことになる。もともと2人は海外志向が強いが、その関係者までもが国外リングに目を向け始めたのは当然だろう。
「(海外での試合は)エキサイティングな機会。サウジアラビアでも、日本でも、英国でも構わない。日本で試合ができたらすばらしいだろうし、モチベーションが掻き立てられるよ」
12月7日のDAZNの番組中に、カネロがそんな発言をしたことがアメリカでも話題になった。こういった言葉が示すとおり、少し意外だが、現時点での村田の"ダンスパートナー"の本命はカネロだという。
莫大なファイトマネーが日本での開催のネックに思えるかもしれないが、カネロ(&ゴロフキン)の報酬はDAZNによってすでに保障されている。一方、DAZNにとっても、日本での興行ならば村田のファイトマネーや諸経費の負担が激減するというメリットがある。
最大の問題は、前戦を168~175パウンド(76.20~79.38キロまで)のライトヘビー級で戦ったカネロが、村田が属する154~160パウンド(69.85~72.57キロまで)のミドル級に落とせるかどうかだろう。ただ、村田本人は「スーパーミドル級でも構わない」と明言している。だとすれば......。
もちろん交渉は"生き物"なため、難航する可能性も十分にある。カラム・スミス、ビリー・ジョー・サンダースといった英国のスーパーミドル級王者たちをはじめ、ほかにもカネロ戦でビッグマネーを狙う強豪は多いだけに、破談になるか、大幅に待たされることになるかもしれない。
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