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井上尚弥に最大級の賛辞を贈るドネア。
それでも「多くの欠点がある」 (4ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

――現在考えている、ボクサーとしての最終目標とは?

「ボクシングを楽しみ続け、その過程であらゆる人たちに、とくに子供たちに『彼のようになりたい』と思ってもらえたらすばらしいですね」

――ボクシングを"楽しむ"とのことですが、恐怖心はないのでしょうか?

「恐怖を感じない人間はいないと思います。不確かなことを恐れるのは人間として普通なことです。ただ、私は長くボクシングを続け、恐怖心は自らを奮い立たせることにつながることもわかっています。次の試合は厳しいものだと思うとエキサイトできる。強い選手と戦うと思うと、自分も強くなれるんです。

 だから今では、"強い"と感じない選手とは戦いたくありません。成長するためには、自分自身に新たな挑戦を課す必要があるということを理解したおかげで、リング上では恐怖よりも興奮を感じるようになりました。これまでに、あらゆる経験をしてきたおかげだと思っています」

――さまざまな経験をしてきた中でも、井上選手は過去最強の相手かもしれない、という予感はありますか?

「確かに井上はすごい選手で、リスペクトもしています。ただ、先ほども言ったように多くの欠点も見えます。私の目標は、彼を厳しい状況の中に引きずり込むこと。彼はそれを味わった経験がないでしょうから、どう反応するか見てみたいですね。深い水の中に飲み込まれてしまうのか、浮かび上がることができるのか。私は彼をそういう状況に追い込めると思っていますし、そうなったら日本の人々にとってもエキサイティングな試合になるでしょう。

 私は日本という国、人々に感謝しています。そして、井上との試合で日本の方たちに最高の贈り物ができるとも考えています。私はすべてを出し切り、誰もが忘れられない試合になるでしょう」

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