レスリング「非至学館」の熱戦に水を差す、
栄・谷岡コンビの茶番劇 (3ページ目)
また、世界選手権金メダリストで53キロ級の奥野春菜(至学館大)、同銀メダリストで55キロ級の向田真優(至学館大)も他を寄せつけぬ強さで優勝。リオ五輪金メダリストの土性沙羅(どしょう・さら/東新住建)は3月のワールドカップで痛めた肩を手術して欠場したものの、68キロ級はリオ五輪出場後に悪性リンパ種による闘病生活を送り、およそ2年ぶりにマットに戻ってきた渡利璃穏(わたり・りお/アイシンAW)が見事に復活優勝を果たし、至学館は層の厚さも見せつけた。
そんな選手たちを逆境に追い込み、活躍に水を差したのが、大会初日の試合開始40分前に行なわれた栄氏の会見である。
栄氏は協会が設けた第三者委員会によってパワーハラスメントが認定され、4月6日に強化本部長を辞任。さらに内閣府からもパワハラ認定を受け、6月8日の理事会で常務理事解任を決議され、6月23日の評議会で解任が正式決定する運びとなっている。
会見では冒頭、「まず伊調選手、田南部コーチに深くお詫びしたい」と謝罪。用意したコメンをト読み上げて記者からの質疑に応じたが、会見直後から世論は猛反発を示した。パワハラの原因を「コミュニケーション不足」と説明し、伊調選手や田南部コーチに謝罪する前に至学館大監督としての現場復帰ありきの会見を開いたことが、多くの国民の怒りを買ったからだ。
また、栄氏に監督を続けさせるとともに、至学館大の卒業生でもある五輪4連覇の絶対女王に対して「そもそも伊調馨さんは選手なんですか?」と投げかけ、さらに「パワハラはない」と断言した至学館大学・谷岡郁子学長兼理事長もやり玉に挙げられた。
すると3日後の6月17日、大会最終日の最後の優勝インタビューが終わると、谷岡学長が急遽会見を行ない、唐突に栄氏の監督解任を発表したのだ。
「東京オリンピックへ向けての戦いの道についてこれない者がひとりいました。本当に残念です。栄和人監督を解任することを発表します」
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