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伊調馨が語る女子レスリングの新勢力図。
絶対女王が外から見ると... (5ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 優衣はすごい。私なんかよりずっとずっとうまい。でも、だからこそ、もっとやってほしい。『優勝します』と公言してきたので、プレッシャーは相当あったでしょう。ただ、以前のほうが積極的だった気がします。確かに(積極的になることで)怖い部分もありますが、これから勝ち続けるともっと苦しくなるから、『今、やれ!』です。

 全体的に日本人選手はレスリングのうまさもさることながら、スタミナがある。今大会でも後半バテバテの外国人選手がいましたが、日本人選手は常に動き、攻撃していました。私たちもそうでしたが、栄(和人)強化本部長(至学館大監督)のもと、よく練習して鍛えられています。監督やコーチが一切妥協しない。いやぁ、ホント、日本の練習は世界一厳しいですからね」

 世界選手権では女子と、男子の2スタイル(グレコローマン/フリー)それぞれで国別対抗得点が争われるが、日本女子は60点をマークし、2位のベラルーシ(38点)に大差をつけて4大会連続で優勝。3位はアメリカで、以下はモンゴル、トルコ、カナダ、中国、ルーマニアという結果だった。

「55キロ級の決勝戦にナイジェリアの選手が勝ち上がってきました。春菜が苦戦したことからもわかりますが、手足の長さ、瞬発力、パワーなど、とても高い潜在能力を感じました。私は前々から『自分が負けるとすれば、レスリングは粗削りでも、アフリカなどのずば抜けた身体能力を持つ選手」と言ってきましたが、まさにそんな選手。これからが楽しみというか、脅威になるでしょう。

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