2017.08.27

スーパー女子高生ほか金メダルが続々。
日本レスリングに世代交代の波

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 85ヵ国・地域から800人を超す選手が集結し、8月21日から26日までフランス・パリで開催されたレスリング世界選手権。大会2日目には、日本男子34年ぶりとなる世界選手権・金メダリストが誕生した。2020年の東京オリンピックに向けて覚えてほしい男の名は「文田健一郎(ふみた・けんいちろう)」。日本体育大4年生の21歳、グレコローマンスタイル最軽量59キロ級の選手だ。

「スーパー高校生」須崎優衣が初の世界選手権で堂々の金メダル リオデジャネイロオリンピックで同階級の銀メダルを獲得した同門の先輩・太田忍を、昨年暮れの全日本選手権と今年6月の全日本選抜選手権で連破し、今回の世界選手権代表権を獲得。今年に入ってもアジア選手権をはじめ数々の国際大会で優勝を重ね、今大会中に現地で毎日配布されている観戦ガイドにも「注目の日本人選手」として同クラス・階級でただひとり紹介された。

 世界選手権初出場ながら海外でも高い評価を受けているということは、各国も文田の存在をマークして研究してくるということ。得意としている右四つ構えからの反り投げが研究され、相手選手は肩をつけてきて低く構えるか、もしくは文田の腕を殺して外から攻めてくるのは明らかだった。

 それでも初戦や2回戦はワンチャンスを確実に掴み、必殺の反り投げで大勝。だが、準々決勝の強豪・ロシアとの戦い以降は完全に攻め手を封じられ、自分の形に持っていけなかった。そのため苦戦の連続となるも、文田はあきらめることなく常に前へ。1回戦で頭部を負傷して頭に巻かれた白いテープが文田の闘志を象徴していた。最後は終始、冷静に攻めまくって優位に試合を展開。そしてついに、文田は悲願の金メダルを掴み取った。