スーパー女子高生ほか金メダルが続々。日本レスリングに世代交代の波 (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 21歳8ヵ月での世界選手権優勝は、日本のグレコローマンスタイル最年少記録。世界選手権で日本人男子学生が優勝したのは、モスクワオリンピック前年の1979年、当時日大の学生だったフリースタイル57キロ級の富山英明(1984年ロサンゼルスオリンピック金メダリスト/現・日本レスリング協会常務理事)以来だ。

「太田先輩とは『お互い競い合って世界のトップにいこう』と約束しています」と文田は語ったが、リオデジャネイロオリンピック前から続く太田忍との代表争いは今後ますますヒートアップするだろう。太田も「自分が出場すれば絶対に優勝できた」と思っているはず。太田と文田、どちらが出場しても世界一となり、ふたりが日本男子レスリング界を牽引していけば、他の階級への影響も計り知れない。

 グレコローマンスタイルでのメダル獲得に勢いづいた日本は、続く女子も世界最強の実力を遺憾なく発揮した。

 大会3日目は、世界選手権初出場でジュニア以下の世界選手権にも出場経験すらない、まさに「世界デビュー」となった55キロ級の奥野春菜(至学館大1年)が金メダルを獲得。オリンピック4連覇を達成した伊調馨以来となる「18歳での世界選手権優勝」を成し遂げた。

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