2017.08.30

伊調馨が語る女子レスリングの新勢力図。
絶対女王が外から見ると…

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 8月21日から26日までフランス・パリで開催されたレスリング世界選手権。世界レスリング連盟のアスリート委員として現地に赴(おもむ)いた五輪4連覇の「絶対女王」伊調馨(ALSOK)に、オリンピック翌年に行なわれる世界選手権の意義、日本女子選手の活躍ぶり、そして世界の勢力図について話を聞いた。

世界選手権でパリを訪れた伊調馨に話を聞いた「さすがフランス、パリ! 会場の施設も運営もすばらしい大会でしたが、驚いたのは警備の厳重さです。試合会場に入る際は何度もパスやチケットのチェック、荷物・身体検査が行なわれ、選手、関係者、観客、記者やカメラマンの方々、それぞれの立ち入りエリアは完全に分けられていました。

 お互い顔を覚えて挨拶をかわすようになった警備スタッフでも、チェックの厳重さは最終日まで変わりませんでしたね。『そこまでやるのか』とは思いましたが、ヨーロッパでテロが続いている状況を考えれば、それも仕方なしでしょう。むしろ選手たちは治安を心配していたので、安心して伸び伸びと戦えたと思います」

 リオデジャネイロオリンピックから1年。今回の世界選手権を見てみると、階級を変更してきた選手、ケガの回復などで休養中の選手、さらに女子の場合は出産のために欠場した選手など、1年前のオリンピック上位入賞者の近況はさまざまだ。オリンピック翌年に行なわれる世界選手権の意義について、伊調は次のように説く。