伊調馨が語る女子レスリングの新勢力図。
絶対女王が外から見ると... (3ページ目)
日本女子はロンドンオリンピックまで世代交代がまったくと言っていいほど進まず、アテネ・北京・ロンドンの3大会に出場したのは私と姉の千春、日登美先輩(小原)、沙保里さん(吉田)、浜ちゃん(浜口京子)の5人だけ。リオになってようやく絵莉(登坂/東新住建)や梨紗子(川井/ジャパンビバレッジ)、沙羅(土性/東新住建)が出てきて、そろって金メダル。ようやく世代交代が始まりましたが、私も沙保里さんも出ていない今大会でそれが一気に加速したのが最大の収穫だと思います。
ただ、さきほど挙げた私たちが誰ひとりとして国内で負けているわけではないことは問題だと思います。若い選手が先輩を倒して上がっていくのは当たり前。上が元気なうちに挑戦して倒してほしかったし、これからの選手にはぜひそうしてほしいですね」
今大会で金メダルを獲得した日本女子は、オリンピック金メダリストの2名(川井梨紗子・60キロ級/土性沙羅・69キロ級)と、世界選手権初出場だった18歳の2名(須崎優衣・48キロ級/奥野春菜・55キロ級)。出場した世界選手権・オリンピックすべてで優勝している伊調は、リオ金メダリストの戦いをどう観たのか。
「梨紗子も、沙羅も、優勝して当たり前。プレッシャーはあったでしょうが、大会前から『オリンピックチャンピオンとして負けるわけにはいかない』という気迫が伝わってきました。梨紗子は決勝戦でもテクニカルフォール勝ち。攻撃の幅が広がったと同時に、技の連係もよくなりました。
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