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「俺のような柔道家になってほしい」。
小川直也が息子・雄勢に託す夢 (3ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Kyodo News

──雄勢選手の試合には小川さんも駆けつけて、試合場のすぐ近くから見守っている姿が印象的です。現在もアドバイスをすることはありますか。

「この域になってくると、俺にしか分からないことが多すぎるんだよね。雄勢は俺の現役時代のことを聞いてくる。今抱えていている柔道の悩みに対して、俺がどう対応したかを知りたいんだと思う。悩みを打ち明けられる一番の存在って、やっぱり親なんだと思うよ」

──どのような相談を受けるのですか?

「試合の内容に関しても俺の意見を求めてくるし、勝ったあとの気持ちの持ち方、負けた後の立て直し方もアドバイスします」

──雄勢選手が柔道を始めたのは小学4年生でしたね。

「2006年ですから、もう11年になる。自分から『柔道をやりたい』と言い出したんだけど、周辺に道場がなかったから小川道場を立ち上げたんです」

──この道場で成長した雄勢選手の世代には、有望選手が集まっています。

「小川道場を建てた頃は少年柔道が盛んで柔道人口が多かったから、全体的にレベルが上がったように感じますね。俺らが柔道をやっていた頃と違って、子どもたちの気質は違うけど。無理矢理、道場に連れてこられて、親の顔色をうかがうように稽古に参加する子もいる。それじゃあ飲み込みも悪いし、『本当に柔道が好きなのかな?』と思うこともありますよ。だから、うちの道場では親御さんに口出しさせないし、練習も直接は見せません。どうしても見たい親御さんには、(エントランスに設置してある)モニターで稽古を見てもらうようにしています」

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