【国際プロレス伝】反則負けのデビュー戦。新人がいきなりやらかす (5ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • ベースボール・マガジン社●写真

「ネックブリーカーは、"本家"と言われていたジャイアント馬場さんにもほめられましてね。後年、ジャパンプロレスにいたころですけど。そうそう、馬場さんと言えば、話はちょっとそれますけど、僕をほめてくれたことがありました。ジャパンプロレスと全日本プロレスの5vs.5対抗戦で、僕が敵のエースのジャンボ鶴田選手と対戦したときです。

 試合が始まると、『しょせん、アニマル浜口は格下。全日のエース・ジャンボ鶴田の敵ではありません』とアナウンサーが言ったんです。全日ファンのためのような放送でしたから仕方がない。ジャンボはヒーローでしたから。ところが、解説をしていた馬場さんが、『とんでもない。体格は違うが、浜口はそんな選手じゃない』とアナウンサーの言葉をさえぎるように言ってくれたんです。

 今、考えると不思議ですけど、試合中でもその言葉がハッキリと聞こえてね。ありがたかったですよ。尊敬する馬場さんが認めてくれて。自分だけじゃなく、国際プロレスでやってきたこと、吉原社長が教えてくれたことが正しかった。ライバルの全日に勝ったような気がしました。試合では鶴田選手に負けてしまいましたけど、いつも以上に燃えて、持っているものをすべて出し尽くしました」

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る