【国際プロレス伝】反則負けのデビュー戦。新人がいきなりやらかす (4ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • ベースボール・マガジン社●写真

 エアプレーン・スピン......、あれを完全に自分のモノにするには3年かかりましたよ。難しいのは、やっぱりタイミング。相手をロープに投げて、戻ってきたところをキャッチして担ぎ上げ、グルグル回してポ~ンと落とす。どんなに重い相手でも股に入って、ガチッと首根っこを持つ。肩を持つと持ち上がらない。肩の上でバランスを取らないといけないし、相手にもたれられたらダメ。

 それと、お互い汗をビッショリかいているでしょ。滑るんだけど、それでもタイミングよく持ち上げて、マットの1点を見て回す。そうしないと、自分のほうが目が回ってしまうから。あの体勢からバックフリップで投げたりもしましたけど、プロレスの技というのはすべて、"タイミング"と"正確さ"と"破壊力"、それと"見栄え"――。それらがすべてそろっていないとダメ」

 そのほか、全力で駆け抜けて滑り込むようにひじを落とし、決まった後に「気合ダァ!」と叫ぶ気合エルボー、相手をロープに飛ばして跳ね返った直後に決めるカウンターのドロップキック、ジャンプして相手の顔に飛びつくように決めるジャンピング・ネックブリーカーなど、浜口が得意とした技はどれも、4つの要素を100%備えていた。

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