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井上康生「新ルールになっても、
一本を狙う日本柔道は変わらない」 (4ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa yuji
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

── 世界選手権や五輪で活躍する、魅力ある選手を増やすのが底辺の拡大につながると。

「そう思います。(全日本合宿中)格闘家の青木真也さんに、全日本の選手の前で講義と指導を行なってもらう予定なんです。いろいろな技術に触れて、選手だけでなく、私自身のレベルアップもしなければならないと思っています」

── 青木選手ももともとは柔道家でしたが、柔道の枠に収まりきらず、総合格闘技の世界へ飛び込みました。青木選手のような柔道界の異端児を受け入れるのも、監督の器量ですね。

「日本の柔道界に身を置いていては、目がいかない技術が青木選手にはあると思うんです。また、考え方も、ちょっと風変わりなところがある(笑)。まあ、その道を極めていく人は、どこか変わっていますよね。彼の本を読ませてもらって、必ず選手や私は刺激を受けると思っています」

── リオ五輪の前にもブラジリアン柔術や海外の武術を選手に体験させていましたが、そういう経験が柔道の幅を広げると。

「もちろんそうですね。あと、自分の柔道はこんなものだろうと、勝手に自分で柔道の限界を作る選手というのは、成長していかないと思うんですよ。モチベーションを維持させ、自分がまだまだであることを自覚させるためにも、新しいことに挑戦させるのは大事だと思います」

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