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井上康生「新ルールになっても、
一本を狙う日本柔道は変わらない」 (2ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa yuji
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

── 新しいルールは、日本の柔道にとって有利なのでしょうか。それとも不利なのでしょうか。

「正直、やってみないとわかりません。柔道界全体として対応しなければならない部分と、選手個人で対応しなければならない部分があるように思います。情報をいち早く集め、理解し、それを現場に生かし、変化していくことが大事だと思います。ただ、ルールがどうなろうが、普遍的なもの、変えてはいけないものがあると思います。それは組んで、投げて、抑え込むことにおいて、高い技術を持っていること。そして常に一本を目指すということ」

── 4分という試合時間は、日本選手にとって不利ではありませんか。外国人選手の「スタミナ切れ」を待つような試合はできなくなりますから。

「その分"指導"が減りますからね。ゴールデンスコアを見据えた戦いをしなければならない。まあ、やってみないことにはわかりません(笑)」

── 新ルールに対応するための合宿などを行なう考えはありますか。

「それはありますね。ルールが変わることによって、当然、技術的に変えなければならない部分、スタイルを変更しなければいけない部分が出てくるでしょうから」

── 新ルールへの対応はありますが、慌ただしかった4年前と比べて、腰を落ち着けて強化にあたられているのではないですか。

「それはありますよね。リオまでの間に築いてきた土台もありますから。ただ、リオまでの4年と同じことをしていたら痛い目に遭うでしょう」

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