【ボクシング】3冠失敗。なぜ井岡一翔は負けたのか? (3ページ目)
ただ、負けたとはいえ、この日の井岡の戦いぶりを見て、相手との体力差やパワーの面での不足は感じられなかった。また、1クラス上の階級の壁という印象も受けなかった。不足していたのは、やはり「経験」ということになるのではないだろうか。下がりながら巧みに試合をコントロールする相手をどう攻略するか、ジャブからの組み立てができない場合にどう次の矢を継ぐか、噛み合わない中でいかに攻勢をジャッジにアピールするか――、そんな課題が浮き彫りになったという点では、収穫があったといえる。
3階級のみならず、4階級、5階級制覇を目指すためには、井岡自身がこの敗北を受け入れて自己分析し、さらに客観的な分析をする必要があるだろう。そうすれば、この挫折が「通過点」になる日が必ず来るはずだ。3月で25歳になったばかりの井岡は、まだまだ成長の途上といえる。
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