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【総合格闘技】UFC JAPAN 2013、
日本人最強・岡見勇信が1年前のリベンジを誓う! (2ページ目)

  • 布施鋼治●取材・文 text by Fuse Koji
  • 長尾 迪●撮影 photo by Nagao Susumu

昨年2月26日の『UFC JAPAN』では、優勢に試合を進めるも逆転TKO負けを喫した岡見勇信昨年2月26日の『UFC JAPAN』では、優勢に試合を進めるも逆転TKO負けを喫した岡見勇信 岡見は2年連続で母国凱旋というチャンスに恵まれたわけだが、前回のボッシュ戦の悪夢を忘れたわけではない。

 中盤戦まで試合の主導権を握っていたのは岡見だった。2ラウンドにはパウンドの連打であと一歩のところまで追い込んだ。しかし、3ラウンドになるとボッシュの突進に後退。最後はケージ際でアッパーの連打を食らい、逆転負けを喫してしまった。3ラウンドになってからの記憶は残っていない。気がついたら、控室にいたという。

「あれっ、もしかして負けたのかな?」

 試合中に記憶が飛んだのも、前のめりに崩れ落ちるような倒れ方をしたのも、初めてだった。

「あとで試合映像を見たんですけど、自分のダメなところが思い切り出ていました。負けるべくして負けたなと思いましたね。ボッシュがラッシュを仕掛けてきたら回り込まなければならないのに、まっすぐ下がってしまった。相手の勢いに飲まれてしまいましたね」

 ボッシュ戦の6ヵ月前には、アンデウソン・シウバ(ブラジル)の保持するUFC世界ミドル級王座に挑戦したが、2ラウンドにTKO負けを喫している。生涯初の連敗に、もうひとりの岡見勇信が心の中で語りかけた。

「落ち込んでいる暇なんてない。3連敗を喫したら、次が最後になるよ」

 新陳代謝の激しいUFCでは、連敗を喫したらリリース(クビ)の対象となる。見込みがなければ、わずか1敗でそうなったケースもある。その厳しさは岡見のようなタイトルマッチ経験者でも変わらない。

 ボッシュに負けてから1週間、岡見は気持ちを切り換えた。

「もうやるしかない」

 巻き返すことができなかったら、自分はそれまでの選手と開き直った。

「中途半端な敗北でなかったことも逆に良かったですね」

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