【総合格闘技】関根勤が語る「UFC JAPANはココを見よ!」
UFCの特徴や、今の総合格闘技の傾向について力説する関根勤氏 昨年に引き続き、さいたまスーパーアリーナで開催(3月3日)されるUFC JAPAN 2013。6年半ぶりに日本で戦うヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)の試合をメインに、五味隆典や岡見勇信といった日本のトップファイターが多数参加し、激闘を繰り広げる。1大会のペイパービュー(PPV)数で平均50万ビューを誇る『世界一の格闘技イベント』と呼ばれるUFCだが、なぜこれほどまでに注目されているのか? その魅力を、芸能界一の格闘技通である関根勤さんに語ってもらった。
UFCの一番の魅力は、何と言っても選手たちのレベルの高さと、大会規模の大きさです。たとえば、サッカーならばワールドカップのような存在で、最高峰の戦いがUFCにはあるんです。
UFCは1993年にスタートしたんですけど、わずか20年でこれほどレベルの上がったスポーツは他にないと思いますよ。それこそ、日本で知られているPRIDE時代と比べたって、選手層は厚くなったし、階級も増え、さらに戦術も変わりました。事実、かつてトップクラスだった日本人選手が、UFCではなかなか勝てなくなっていますからね。
以前はミルコ・クロコップ(クロアチア)だったら『打撃』、アントニオ・ホドリコ・ノゲイラ(ブラジル)だったら『寝技』といったように、得意分野で勝負する選手がたくさんいたけど、今はそういった戦術じゃ通用しないんです。総合格闘技の基本である『打・投・極』、すべてが高いレベルで、かつスピードと無尽蔵のスタミナもなければ、チャンピオンにはなれない。
もはや、柔道やレスリング、キックボクシングをしていた選手が横からスッと入ってきてすぐに戦える状況ではなく、スポーツとして体系化し、すごく洗練されたものになっています。PRIDE以来、総合格闘技から離れている人がUFCを見たら、選手の無駄のない動きと展開力は新鮮に映ると思いますね。
加えて急速なレベルアップにつながっているのが、近年UFCが他の団体を吸収してきたことでしょう。2007年にPRIDEを買収すると、2011年には業界2位だったストライクフォースも傘下に収め、総合格闘技界において揺るぎない地位を確立したんです。そして、チャンピオンになれば破格のファイトマネーを約束されたことで、多くの選手がUFCのトップを目指すようになりました。
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