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【ハイキュー‼×SVリーグ】孤爪研磨のプレーが「勉強になる」アランマーレ山形の石盛めるも 自身は母の厳しさ・祖母の優しさで成長

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

『ハイキュー‼』×SVリーグ コラボ連載(50)

アランマーレ山形 石盛めるも

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「相手を考えた組み立て方を頭に入れ、外国人選手の強さをうまく使いながら、点数を取ってもらえるように指揮しています」

 アランマーレ山形の石盛めるも(26歳)は、セッターの心がけを語った。中2の途中からセッターを始め、そのポジションを選んだことこそ、トップリーガーになれた理由だと彼女は考えている。

「"アランマーレらしさ"は勢いのよさや、元気なところだと思うので、『雰囲気がいいよね』って言われるようにやりたいですね。強いチーム相手にやられ出すと、思わず下を向いちゃう時もあるんですけど、たとえ負けても、最後まで元気よく戦う姿勢を見せて、『面白かったよ、また応援に行くよ』と言ってもらえるようにしたいです」

 在籍4年目、石盛はチームの着実な成長とともに歩んできた。V2デビュー、V2優勝、V1デビューを経験。昨シーズンは大差をつけられての敗戦を重ねたが、粘り強く戦えるようになった。そして今シーズン、SVリーグでは勝利をもぎ取っている。

 石盛は愛知県岡崎市のバレーボール一家に生まれた。祖母、母、父がバレー経験者で、保育園では祖母、母のチームで指導を受けていた。母は宝塚歌劇団が好きでバレリーナの教室にも通ったが、小学校に入るタイミングでバレーボール一本に絞った。

「小学校ではお母さんが監督で、一番怒られました。家に帰っても指導が続くというか......お風呂の時間も怒られたので、『やめたいな』と思っていました」

 石盛はそう言って、快活に笑う。

「中学は福井県でバレーを続けることにしました。小学校の時の練習試合で、福井県の中学と対戦して、知っている先輩もいたので。練習にも参加して『行きたい』ってなったんですけど......地元で友達と遊んでいると『離れたくない』って思いも出てきて。でも、お母さんには『行きなさい』って言われましたけどね(苦笑)」

 石盛は毎年、全日本バレーボール中学校大会に出場した。その点で、越境入学は正しい選択だった。高いレベルを経験し、寮生活をする中で友人もでき、ホームシックにもならなかったという。

 母の厳しさが彼女を自立させたのかもしれない。

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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