西田有志は髙橋藍を「常に狙っていた」SVリーグ開幕戦、サントリーvs大阪ブルテオンで2人が散らした火花 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【髙橋を崩しにかかった西田】

 そして開幕戦の試合展開のなかでも、2人は火花を散らす場面が多かった。

「常に髙橋藍選手を狙っていました」

 西田はそう語って、こう続けている。

「髙橋選手をどう崩すか、を考えていました。(アウト)サイド(ヒッター)が重なった時のローテの時とか......意図としては、パイプ(攻撃)をなくすことで。常に(髙橋が)いい状態で入れないようにして、ディフェンス対応させることで(攻撃オプションを)ひとつずつ削っていく。(3セット目)最後の1点で決着がついた時も、ゾーン1の髙橋選手をサーブで狙って、最後は決まったので」

 結果は、西田を擁するブルテオンがセットカウント3-0で勝利した。西田はチーム最多の21点で、不完全燃焼だった髙橋の6得点を上回った。ブルテオンは世界屈指のリベロ、山本智大を中心にしたディフェンスシステムも機能した。

 西田は、オポジットとして暴れ回った。彼は「オポとしては、しっかりトスが上がれば勝たせられる」と言うが、その矜持が出た開幕戦だった。弩弓(どきゅう)で矢を突き刺すような強烈なスパイクで猛襲。ストレートだけでなく、クロスにも打ち込み、さらにブロックも決めた。

「西田選手に止められるところは悔しくて......」

 髙橋はそう言って、西田にブロックされたシーンを振り返っている。一身に注目を浴びて、凄まじい重圧があったはずで、コートではやや表情が硬くイラ立っているようにも映った。チームが術中にはまり、髙橋自身が西田のサーブに体を投げ出しながらレシーブせざるを得ず、攻撃のパワーを削られていた。

「駆け引きのところで、フラストレーションがたまっていくところはあって......。いい流れになっても、取り切れない。苦し紛れのスパイクが多くて、チームとしての動きが悪いことも感じていました。得点につながらないのでイライラはあったと思います。ただ、冷静にやっていくのも必要ですが、(勝利を)求めていかないといけないし」

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