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石川祐希のイタリア9季目は「ハード」 それを乗り越えるために「削った」ものとは? (3ページ目)

  • 柄谷雅紀●取材・文 text by karaya masaki

【「今は非常に楽しい」】

――シーズン前には、「ディフェンスの役割が多くなるんじゃないか」と話していました。感覚的にはどうですか?

「やはりディフェンスを求められることは多いので、その意識は非常に高いです。特にレセプションは2人ですることも多いですが、悪くないので去年よりも成長できているなと感じています」

――レセプションの範囲が広くなっていると思いますが、難しさは感じませんか?

「範囲が広い分には問題ありませんし、広いのも楽しいですよ。単純に他の選手よりも広範囲でバレーができますし、ボールに触れる回数、確率も上がりますから。今は非常に楽しい。ディフェンスの役割と言っていますが、攻撃のスタッツを見てみると、僕が一番多く打つこともありますしね。よりタフになるし、もっと成長できる感じがしています。昨季よりも楽しくプレーできています」

――今季から加入したカジースキ選手は、一緒にプレーしてみていかがですか?

「彼は『自分のことをしっかりやっている』という印象です。キャプテンのように周囲に声をかける感じではなく、自分のことを淡々とやっている感じ。僕は一緒にやりやすいですし、遠慮せずにいろいろと言うこともできます。まだそこまで深い話はしていませんが、めちゃくちゃポジティブな選手ですね」

――ここまでの、チームとしての手応えはいかがでしょうか。

「徐々にチームの雰囲気もよくなってきているし、まとまってきているので非常にいい感じだと思います。今季は、アウトサイドは僕とカジースキ選手と(オスニエル・)メルガレホ選手で回していて、オポジットもベルギーとクロアチアの2人の選手が、どちらが出てもいい感じですし、補強もあって層が厚くなったと思います。誰が出ても戦えているので、昨季よりも安定して戦えています」

――日程も含め、昨季よりタフさが問われるシーズンになりそうですね。

「僕たちのチームもそうですが、他のチームも昨季よりレベルが上がっています。また、CEVカップでは他のリーグの強いチームと対戦できるので、今までよりもレベルが高いステージで戦えている感覚はあります。確かにタフですが、それが楽しいです」

【プロフィール】

◆石川祐希(いしかわ・ゆうき)

1995年12月11日生まれ、愛知県出身。イタリア・セリエAのミラノ所属。星城高校時代に2年連続で三冠(インターハイ・国体・春高バレー)を達成。2014年、中央大学1年時に日本代表に選出され、同年9月に代表デビューを飾った。大学在学中から短期派遣でセリエAでもプレーし、卒業後の2018-2019シーズンからプロ選手として同リーグで活躍。2021年には日本代表のキャプテンとして東京五輪に出場。29年ぶりの決勝トーナメント出場を果たした。

公式X(旧Twitter):@yuki14_official>> 公式Instagram>>

著者プロフィール

  • 柄谷雅紀

    柄谷雅紀 (からや・まさき)

    スポーツ記者、ライター。1985年生まれ、大阪府出身。筑波大男子バレーボール部で全日本大学選手権など多くの大会で優勝した。卒業後の2008年から大手新聞社で事件や事故、裁判の取材を経験。転職した2013年からスポーツの取材に携わる。2018年平昌五輪、2021年東京五輪、2022年北京五輪を始め、多くの競技を現地で取材している。@masaki_karaya

【写真】男子バレー日本代表キャプテン・石川祐希 フォトギャラリー

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