石川祐希を中心に今年の日本男子バレーは「ひと味違う」 元エースの清水邦広は「攻守の精度」を絶賛した

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • Photo by FIVB

【ブラジルやイタリアさえも上回っていた部分は?】

――第2週のフランスラウンドでは、30年ぶりにブラジルにも勝利しました。

清水 本当にすごかったです。これも石川選手が「今年の目標はブラジルに勝っていくこと」と語っていたのですが、目標達成できる状態までキャプテンがチームを持っていったということでしょう。

 ブラジル戦でどこがよかった、というよりは、大会を通してどのチームに対しても同じような戦い方ができたのが大きかったと思います。フィジカル面では劣っても、技術面で上回っていましたし、トータルのチーム力で勝つことができた。

――日本の「同じような戦い方」とは、具体的にどんなことですか?

清水 セッターはもちろん、ミドルやアウトサイドの選手も含めてトスの精度を高く保つことです。特に20点以降、「ここで決めなきゃいけない。決めたら乗れる」という時のトスの質は、ブラジル戦でも日本のほうがよりよかった。

 今大会ではイタリアも、20点以降にセッターじゃない選手がトスを上げた場面では打ちきれなかったり、トスが割れたりしてアタッカーがミスをしてしまうケースが多かったです。でも、日本は誰もが打ちきれるトスを上げていましたし、打ちきれない場合もリバウンドを拾えるように上げられていた。数字では見えにくい部分だと思うんですが、そのあたりが徹底してできていたのでミスが少なかったんだと思います。

 単純にセッターだけで比較しても、関田誠大選手はブラジルだけではなく、イタリアのセッターのシモーネ・ジャネッリ選手(昨年の世界選手権MVP)などとも渡り合えていました。むしろ上回っていた部分もあるんじゃないかと。アタッカーの使い方、トスの精度も世界のトップレベルでしたね。

――第3週のフィリピンラウンド、イタリアとポーランドとの試合はファイナルラウンド進出を決めた後ということもあってか、出場機会が少なかった選手たちの起用が多くなりました。結果は2連敗となりましたが、この2試合はいかがでしたか?

清水 僕は、出番が少なくても「控え選手」という認識はしていません。誰が出ても結果を残すことができますし、相手としても嫌だと思います。ポーランド戦で先発した髙橋健太郎選手を含め、ミドルブロッカーの存在感もさらに増しましたね。

 以前は少なかった、20点以降のミドルの得点も増えたと思います。ミドルの選手たちが成長したことはもちろんですが、今のチームには"決め手"がたくさんいる中で、ミドルの存在も消さない関田選手のトス回しがやはりすごかった。僕自身も魅了されました。本数は少ない試合もありましたが、印象的な使い方ができていたので、相手は「ミドルのマークを外せない」という感じになっていましたね。

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