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石川祐希を中心に今年の日本男子バレーは「ひと味違う」 元エースの清水邦広は「攻守の精度」を絶賛した (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • Photo by FIVB

【守備の要、リベロ・山本の並外れた能力】

―― 一方で、ディフェンス面に関してはいかがですか?

清水 ブロックとフロアディフェンスの関係性は年々よくなってきています。高さで劣る分、レシーブで粘れていた。しっかりコミュニケーションも取れていて、お見合いや、誰もいないところにボールが落ちることなどがほとんどありませんでした。常に相手チームにプレッシャーをかけ続けられるディフェンスを見せていましたね。

 結果として、相手チームの中で「リベロ(山本智大)のところには打つな」といったコースの指示が出て、我慢しきれずミスになったりブロックにかかったりする場面も見られた。ディフェンス力でポイントを取ることができるようになっているんじゃないかと思います。

――山本選手はVNLでベストディガー賞を受賞しました。清水選手は東京五輪で、そして今季からはパナソニックパンサーズでも一緒にプレーすることになりますが、どんな選手ですか?

清水 本当にベストディガーにふさわしい選手ですね。彼は両チームのアタッカーやブロックの様子を見ての位置取りや"読み"が優れている。だからディグ(スパイクレシーブ)だけじゃなくて、攻撃時のブロックフォローも素晴らしいです。反応して動くというよりは、予測して動く。その嗅覚が並外れています。

 だから僕も、日本代表の練習ゲームで相手チームに山本選手がいた時には、彼がいるところにはほとんど打ちませんでした。あんまりきれいに上げられると、スパイカーは調子を落としていってしまうので。「きれいに決められる」と自信のあるスパイクを上げられるとメンタルにきますからね。ブロックされたほうがいいくらいです(笑)。それほど彼のディグ、レシーブ能力は高いですよ。

――VNLの話に戻りますが、ファイナルラウンド準々決勝のスロベニア戦は3-0でストレート勝ち。スロベニアは何人か主力を欠いていたようですが、OQTで同グループに入っている相手に勝てたことはどんな意味がありますか?

清水 スロベニアもそこまで大きい選手はいなくて、うまい選手が集まっているという点が日本と似ている印象がありました。ただ、ミスの数、最後の決め手、ディフェンス力といった些細なことで少しずつ点数が離れていったように感じました。

 OQTではメンバーが違うかもしれませんが、直前の大会での勝敗はメンタルに大きな差が出ます。しかも、VNLのベスト4がかかった大事な局面で快勝できたわけですから、怖さが消え、自信がついたと思います。

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