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迫田さおりが日本女子バレーの苦戦を分析。必要なのは古賀紗理那のような気迫のプレー (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by AFP/AFLO

――韓国戦の第1セットは、初めて黒後愛選手とセッター籾井あき選手がスタメンから外れるなど"奇襲"を仕掛けたもののハマらず、メンバーをケニア戦のスタメンと同じに戻しましたね。

「それでも、特に黒後選手は、スタメンから外れたことによる心理的な影響も感じさせませんでした。普段は免除されているサーブレシーブにも加わって、いいスパイクを打っていた。サーブで狙われることが多くなりましたけど、よく我慢していましたね。自分の役割を果たすことの大切さを、コートで表現しようとしていると感じました。

 噛み合わなくて苦しい場面もあり、第1セットを取られて、第2セットも同じような展開が続きました。思うように点数が決まらないことで、チーム全体に重苦しい空気が漂ったこともあったでしょうね。もっと苦しい展開になってもおかしくなかったのが、最終的に惜敗はしたものの、フルセットまで戦えた。第2セットを取り返した時のように、みんなで我慢して、諦めずに戦えたことは、この先につながるはずです」

――韓国戦の第5セットで日本がマッチポイントを握った場面で、セッターの籾井選手は3連続で石川選手にトスを上げました。黒後選手は後衛の真ん中でサーブレシーブを担い、古賀選手は後衛のライトで、そこからのバックアタックも試していなかった形ですが、他に選択肢はなかったのでしょうか。

「荒木(絵里香)選手に上げる選択肢はあったかもしれませんね。ただ、コート内の選手たちの中に、『この勝負所を石川選手に託したい』という思いがあったんじゃないかと思います。それが決まらないと、『他の選手を選択したほうがよかったんじゃないか』という意見も当然出てきますが、決めたことを貫くこともチームとして必要なことではあります。

 もちろん試合を決められなかったことは残念です。でも、それを一番悔しいと思っているのは石川選手本人。次戦のドミニカ戦だけでなく、石川選手が今後キャリアを重ねていく中で、この場面の悔しさは大きな糧になるでしょう」

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