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迫田さおりが日本女子バレーの苦戦を分析。必要なのは古賀紗理那のような気迫のプレー (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by AFP/AFLO

――ブラジルやセルビアなど、上位チームと日本の差をどのように感じましたか?

「上位チームは圧倒的にミスが少ないですね。日本の選手たちがスパイクでレシーブを弾いても、その乱れたボールを強烈なスパイクで返してくる。苦しめているはずなのに、なぜか日本の得点にならないという場面が多かったです。ブラジルは、日本戦の途中でセッターがケガをしましたが、そこからさらにギアを上げた感じがしました。世界のトップを走り続けている経験値がなせるものでしょう」

――そして予選ラウンドの大一番の韓国戦。フルセットの接戦になり、日本は第5セットでマッチポイントを先に握りながら、連続失点で熱戦を落とす悔しい結果になりました。ただ、古賀選手が復帰し、チーム最多の27得点を挙げましたね。

「私は現地で取材していたのですが、会場に日本の選手団が入ってきた時に『あれ、選手の人数が多いような......』と思って数えたら、フルメンバーの12人が揃っていたんです。『古賀選手が戻ってきている!』と驚きましたよ。ピンチサーバーなどで無理をさせないという考えもあったでしょうが、ユニフォームを着ているということは、出場する強い覚悟を決めているんだろうと思って見ていました。

 もちろん、ケガが完治していないことはみんながわかっていますが、コートに立ったら言い訳にはできません。しかし古賀選手は、そんな心配も関係なく、『オリンピックにすべてを懸けてきた』というプレーを見せてくれました。25点を取るまでのプランを組み立てていることを感じましたし、ボールが動いてない時の声のかけ方もすばらしかった。我慢の時間をみんなで共有して、誰かが決められなくても『もう一度! みんなで頑張ろう』と鼓舞していました。チームに与える影響力の大きさを感じましたね」

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