2021.08.03

日本男子バレーはブラジルとどう戦うべきか。元代表キャプテン荻野正二が考える「狙いどころ」

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by FIVB

 29年ぶりとなる決勝トーナメント進出を果たした男子バレー日本代表は、リオ五輪で金メダルを獲得したブラジルと準々決勝で戦う。現在32連敗中の王者に、果たしてつけ入る隙はあるのか。日本が29年前に予選を突破した1992年のバルセロナ五輪、2008年の北京五輪にもキャプテンとして出場した荻野正二に、攻略の糸口について聞いた。

イランに勝利して予選突破を決め、カメラ前でポーズを取る西田有志(左)と石川祐希イランに勝利して予選突破を決め、カメラ前でポーズを取る西田有志(左)と石川祐希 この記事に関連する写真を見る ――日本が予選突破を決めた時、何を思いましたか?

「北京五輪の時は1勝もできませんでしたから、初戦で勝っただけでも本当に大きなことでした。それが3勝して、ベスト8に入るなんて......。バルセロナ五輪の順位は6位でしたが、また決勝トーナメントで日本チームが戦うということが、元代表選手としても誇らしいです。

 予選突破を決めたイラン戦は、フルセットになった時点で正直『厳しいかな』とも思いました。でも、アジアの強豪を相手に接戦を勝ち切ってくれた。疲労が吹き飛ぶほどの、価値がある勝利だったと思います。今のチームには若い選手が多いですが、試合ごとに成長していて、自信を持ってプレーしていることがわかりますね」

――5戦全敗で悔しい思いをした北京五輪でのチームメイトだった、清水邦広選手も奮闘していますね。

「五輪経験がある清水選手がいることでチームが落ち着いている部分はあるでしょう。出場機会はそれほど多くないですが、少ないスパイクをしっかり決めているのはさすがです。ベンチからも積極的に声かけをしていますし、おそらくコートの外や、練習などでもコミュニケーションをよく取っているんじゃないかと思います」

――確かに、予選3戦目のイタリアに負けたあと、清水選手が会場の片隅にメンバーを集めて、少し長めに話をする場面がありました。

「やはりそうですか。イタリア相手に1セットを取れたのは大きかったし、『ここで終わりじゃない。先があるよ』と鼓舞したんじゃないでしょうか。やはり照準はイラン戦だったでしょうから。これは、同じ福井県出身の先輩としての憶測ですが(笑)」