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日本女子バレー東京五輪出場への最終サバイバル。セッター問題は解決? チームの中心は? (4ページ目)

  • Text by Sportiva
  • photo by FIVB

 しかし、パワフルなスパイクが黒後の持ち味のはずだが、今大会はフェイントが多用されているのが少し気になる。セッターの籾井とのコンビを合わせるために「コミュニケーションを多く取るように心がけている」とコメントしており、籾井も「ライトからの攻撃を増やしたい」と語っていたので、その成果が発揮されれば、黒後が気持ちよく強打で決めるシーンを多く見られるようになるかもしれない。

 アメリカ戦の1試合だけ古賀と籾井をベンチから外し、アウトサイドヒッターの石井優希、林琴奈、セッターの田代らを起用した布陣になったが、中田監督は黒後だけは最後まで外さなかった。ベルギー戦のあった6月14日に23歳の誕生日を迎えた黒後。所属チームの東レアローズでは主将を務め、若手から中堅へとステップアップする時期だけに、監督の期待の大きさが窺える。

 黒後と同じオポジットのポジションでは、中国との親善試合で代表に復帰して活躍した長岡望悠が、ベルギー戦まで一度もベンチ入りしていないのは気になる。親善試合の時点で中田監督は「長岡の復帰でサウスポーの攻撃が1枚あるのは大きい」と話していたが、2度の左膝前十字靱帯断裂という大ケガを経験しているため、試合に出場できてもフル出場は厳しいのではないだろうか。18日からの予選ラウンド最後の3試合でベンチ入りがあるのかが注目される。

 日本は9勝3敗でトルコと並んでいるが、勝ち点で1ポイント上回り、暫定3位。5位ロシア、6位オランダとも僅差だが、ファイナルラウンド進出の可能性もまだ十分に残っている。

 相手国にデータを取らせないために主力を温存し、控え選手主体のチームで臨む国もあるが、日本はレギュラー陣に経験を積ませ、チームを固める道を選んだ。それが五輪本番に吉と出るか凶と出るかはわからないが、1試合でも多く経験を積めると考えれば、ファイナルラウンド進出も五輪に向けての貴重な経験の場といえるかもしれない。もちろん、出ずっぱりの選手たちは疲労も蓄積しているはずなので、ケガなどコンディションに留意しつつということは言うまでもない。

 予選ラウンド残り3試合、ファイナルラウンドに進出した場合はプラス2試合で、これまで活躍が目立たなかった選手たちにもアピールの機会はあるのか。そして、最終的にどのメンバーが12人の椅子を勝ち取るのか。最後まで目が離せない。

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