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強豪に「あと少しで勝てない」
ビーチバレー坂口佳穂に必要なもの (2ページ目)

  • 小崎仁久●文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 第1セットは、最近取り組んでいる坂口のジャンプサーブや強打を中心に得点を重ね、終始ゲームをリード。最後は相手に粘られたものの、22-20でセットをモノにした。その勢いを維持して第2セットも序盤は先行したが、次第に試合の主導権は田中&藤井ペアに移っていったのだ。

 ブロック、アタックと坂口の調子がいいと見ると、田中&藤井ペアはブロックに入る鈴木の周りにボールを落として揺さぶった。サーブでも、予想外のタイミングで鈴木を狙い、坂口&鈴木ペアの攻撃のリズムを狂わせた。鈴木が振り返る。

「相手の作戦には気づいていたが、(自分が)狙われて硬くなってしまった」

 結局、坂口&鈴木ペアは連続失点で逆転を許すと、18-21で第2セットを落とした。そのまま最終セットも、一度崩れたリズムを取り戻すことはできなかった。終盤に粘りを見せて11-12と追い上げたが、重要な局面で坂口がサーブをミス。13-15で最終セットを落とし、セットカウント1-2で敗れた。

「大事なところでミスが出たゲームだった。最後のサーブも(自分に)迷いが出てしまった......」

 坂口は試合後、そう言って悔やんだ。

 とはいえ、格上相手でも確実にフルセットまで持ち込める試合ができるようになった。その点は、坂口も手応えを感じている。

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