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【男子バレー】春高バレー、ジャニーズとのコラボ...松平康隆のメディア戦略 (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 望月仁/アフロ●写真 photo by Mochizuki Hitoshi/AFLO

 松平は、この他にも各局一つはバレーボールの国際大会を共催できるようにと心を配り、日本テレビには、グランドチャンピオンズカップ、テレビ朝日にはワールドスーパーチャレンジ、TBSには(一応持ち回りだが、日本開催が比較的多い)世界選手権と割り当ててきた。このうち、ワールドスーパーチャレンジは役目を終えて終了した。しかし、オリンピック、世界選手権とならぶ世界3大大会のひとつワールドカップを、日本で恒久開催することになったのは、ほかの競技と比べてきわめて異例なことであると言えるだろう。ただし、この「恒久開催」という言葉は、公式にはどこにも掲示されていない。

 そして、ワールドカップバレーボールというとおなじみの存在なのが、ジャニーズ事務所のイメージソングとタレントたちだ。1995年大会から始まったもので、発案したのは全日本が今ひとつ低迷していたこの時期、バレーボールファンだけでは全国的なムーブメントが起こせないという危機感を抱いたフジテレビだった。

 もちろんバレーボール協会的にはどうなのだろうという心配があった。何しろ、単にイメージソングを作るだけでなく、試合前のコートでコンサートを行なうという画期的な提案だったからである。

 ところが、当時協会の会長だった松平は、二つ返事で「そういうのを待っていたんだよ! いいじゃないか、それ」と大歓迎してくれた。こうしてジャニーズとのコラボレーションは始まったのだが、最初はなかなか思惑通りにはいかなかった。95年大会のイメージキャラクターはV6だったが、彼らのコンサートが終わると、観客の多数が帰ってしまうという事態に陥ってしまったのである。

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