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錦織圭のアドバイスで待望のトップ100入り 内山靖崇「もらったメッセージは、悩んだ時に元気が出るおまじない」 (4ページ目)

  • 内田 暁●取材・文 text by Akatsuki Uchida

【スマホのお気に入りフォルダに保存】

 そんな錦織の言葉に背を押され、内山はこの年のウインブルドンで予選を突破して本戦に初出場。そして次の大きな契機が、同年秋のジャパンオープンだった。

「この時も僕は予選から参戦し、ベスト8まで行ったんです。その予選1回戦の相手は、スティーブ・ジョンソン(アメリカ)という、圭くんもよく知っている選手でした。

 圭くんは、あの年のジャパンオープンはケガで欠場していたので、『ジョンソンと当たるのでアドバイスをお願いします』と連絡したんです。そしたら、ジョンソンの試合の動画のリンクと、『何秒から何分まで見て』というメッセージが送られてきた。

 それから少しして、電話が来たんですよ。『見た?』って。『ジョンソンは、こういう時にこういうステップを踏むから、ここを狙ったほうがいいよ』とか、『こういうボールをこのコースに打っておけば、彼はすごく嫌がるから』とか、すごく細かいんです。その助言のとおりにやったら、本当に6-3、6-3で勝てた。

 本戦1回戦のブノワ・ペール(フランス)も、圭くんが何度も当たっている選手なので、やっぱりいろいろと教えてくれました。『このパターンに持ち込ませたらダメだから』とか『こういう時には彼はこう動くから、大事な時は絶対にここを狙って』みたいに。それでペールにも6-2、6-2で勝ったんです。

 2回戦ではラドゥ・アルボット(モルドバ)と対戦して、フルセットで勝ちました。その試合のあとに、圭くんがまた長文メッセージをくれたんです。

『今日の試合、すげえよかったよ。今日くらいの攻撃と守備のバランスだったら、絶対にもっと上に行ける』みたいに。

 実際にジャパンオープンの約2週間後、寧波のチャレンジャーで優勝して、一気にトップ100に行けたんです。あの1週間を含め、僕が100位を突破できたのは間違いなく、圭くんのアドバイスのおかげでした」

 その時に錦織からもらったメッセージを、内山は「スクリーンショットを撮って、スマホのお気に入りフォルダに入れている」という。

 それは内山いわく、「悩んだ時や自信のない時に見ると、元気が出るおまじない」──なのだ。

(つづく)

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【profile】
内山靖崇(うちやま・やすたか)
1992年8月5日生まれ、北海道札幌市出身。ジュニア時代から頭角を現し、2011年にプロ転向。単複双方で世界を転戦し、デビスカップ(国別対抗戦)では主にダブルスで日本チームの勝利に貢献してきた。2019年のブリスベン国際やジャパンオープンではシングルスでベスト8入りを果たし、同年11月に自己最高ATPランキング78位を記録。2021年に故郷・札幌で「UCHIYAMA CUP」を立ち上げるなど、テニス界の発展にも尽力している。現在も現役選手としてツアーを転戦中。ATPチャレンジャー・シングルス通算7勝。身長183cm。

著者プロフィール

  • 内田 暁

    内田 暁 (うちだ・あかつき)

    編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。

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