錦織圭を陰で支えた名トレーナーの証言「当時は体が後傾していた」 ひざの痛みを解消し、全米OP準優勝に貢献 (4ページ目)
【水面下で大きく成長した2013年】
もし......である。もし、チャンのチーム合流が1年早かったとしたら、当時の錦織ではチャンの描いた青写真を体で表現できなかったかもしれない。
ただ前述したように、錦織は2013年を通してフィジカル強化に努め、ひざのケガ予防の観点からも、ボールを前でとらえるようになっていた。そこにチャンの持ち込んだ戦略が、カチリと噛み合う。
2014年5月、錦織はクレーコートのマドリードマスターズで準優勝。ついにトップ10の壁を突破する。そして9月の全米オープンでは、世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を破り決勝進出を果たした。
2013年シーズンを錦織は、世界ランキング17位で終える。
数字だけ見れば、前年の19位と大差はない。ただ、抱えていたひざの痛みの解消や、シーズンを通して戦える体づくりなど、水面下では大きな成果を上げていた。
2013年に錦織が出場したATPツアー大会数は20。それはシーズン開幕前に予定していたすべてのトーナメントに出たことを意味していた。
(つづく)
◆中尾公一の視点(2)>>全米OP準優勝の舞台裏「余った栄養補給ゼリーを必ず持ち帰って」
【profile】
中尾公一(なかお・こういち)
湘南工科大学を卒業後、フリーのシステムエンジニアを経てスポーツの世界へ転身。鍼灸マッサージ師の資格を取得し、バスケットボールや卓球の実業団チームでトレーナーを歴任する。2005年からテニス男子ナショナルチームのトレーナーを務め、ロンドン五輪にも帯同。2013年より6年間にわたって錦織圭の専属トレーナーとして全米オープン準優勝やリオ五輪銅メダル獲得の快挙を陰で支え続けた。現在はテニスのジュニア育成や大宮のコンディショニングスタジオで一般の方の健康を支えている。株式会社ABM代表。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
【写真】日本女子テニス「6人のティーンエイジャー」フォトギャラリー
4 / 4














