錦織圭「これが自分なんだ。潜在能力はまだあった」 手にした完全復活へのカギ (4ページ目)
【内に潜む「かつての感覚」が蘇る瞬間】
悔いを覚えながらも課題を見つけ、明るい材料に目を向けて前を向く。短時間の会見のなかで見せる落胆と希望の相剋(そうこく)も、かつてよく見た錦織の姿。
その既視感あふれる光景こそが、言外の復活宣言でもあるだろう。
復帰してからこの半年間──いや、おそらくはケガで戦線を離脱していた1年以上、錦織は身体の内に潜む『かつての感覚』が蘇る瞬間を、待ち続けてきたはずだ。
彼が探し求めたその「明日」は、錦織の復活を信じるファンの願いに満たされた、有明コロシアムにあった。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
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