加藤未唯の「失格問題」で最も重要なこと...レフェリーは実際に何が起きたか映像を見ることなく、判決を下していた (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Kyodo News

【加藤にファンから温かい声援】

 なお、公式ルールには『選手に"失格"を言い渡すのはレフェリーであり、スーパーバイザーと相談の末に決定すること』と定められている。

 加藤は試合後に「動画も確認したうえで、正当な判決だったかどうかを精査してほしい」という旨の要請書を、グランドスラム評議会に提出したという。

 ただ、当事者である加藤とスチアディのふたりは、この記事でも引用した公式録画を、いまだ確認できずにいるという。

 選手は通常、自分たちの試合の動画を、専用のアプリを用いて見ることができる。ただ、この試合の動画は、いまだ選手用アプリに上がってきていないからだ。

 今大会の加藤は、女子ダブルスのみならず、キャリア2度目の混合ダブルスにも出場。選手仲間やファンの温かい声援を背に、決勝まで勝ち上がった。

「まだ試合を純粋に楽しめていないので、明日の決勝は楽しみたいと思います。センターコートでもあるので、みんなが見て『楽しかった』とか『よかった』と言ってもらえる試合にしたいと思います」

 その想いを胸に向かう決勝戦は、現地時間の6月8日・正午(日本時間19時)にスタートする。

著者プロフィール

  • 内田 暁

    内田 暁 (うちだ・あかつき)

    編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。

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