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大坂なおみ、全豪3回戦の相手はまたも「鬼門」。元世界1位が絶賛するクリーンヒットで課題を克服できるか (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

【3回戦の相手は2001年生まれ】

 まだ24歳とはいえ、大坂も下部ツアーを回り始めて10年が経った。会場の選手ラウンジにも、初めて見る若い顔が増えたという。

「2000年代生まれの子がたくさんいるんだから、ビビるわ!」

 そう言い彼女は、おどけるように笑みをこぼした。

 3回戦で大坂が当たるアマンダ・アニシモバ(アメリカ)も、そんな2001年生まれの選手である。

 15歳の頃から将来を嘱望されてきた新世代の旗手は、今季開幕戦の"メルボルン・サマーセット2"を制し、ツアー2勝目を得たばかり。新たな上昇気流を捉えた20歳は大坂との初対戦を控え、「ナオミとはずっと戦いたいと思っていた。ものすごく楽しみ」と目を輝かせた。

 一方の大坂も、フロリダを拠点とする若手の評判は以前から知っている。一時は重圧やケガで不調に陥った時もあったが、それらを乗り越えたアニシモバの活躍を「すばらしいと思う」と言った。

 ツアーに新顔が増えることを、大坂は「いいこと」と感じているという。新たな世代の台頭は、ツアーの勢力図を描き替え、それまでの常識や定石をも変えていく。それは自身を「ベテラン」と称する大坂にとって、「新しいことを学ぶ機会」でもあるからだ。

 とはいえ、若手との対戦は大坂のグランドスラムの戦いを振り返ると、実は鬼門でもある。

 昨夏の全米オープンでは、3回戦で当時18歳のレイラ・フェルナンデス(カナダ)に逆転負けを喫した。2年前の全豪オープンでは、やはり3回戦で当時15歳のココ・ガウフ(アメリカ)にストレートで敗れている。

 自身に敬意の目を向け、大物食いを狙う若い波をいかに止めるかは、連覇を狙ううえで避けて通れぬ課題だ。それら過去の教訓を生かし、アニシモバ戦では自分のテニスに徹しきれるか?

 全豪オープン3回戦は、大坂の成長を測るうえでも、かっこうの試金石になる。

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