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大坂なおみ、無敗のまま全豪OP連覇へ。ただ課題は負けをいかに受け入れることか (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

【初戦の相手は危険な20歳】

「何も知らない選手との対戦は珍しいので、とてもワクワクする。すごく新鮮なことだもの」

 来たる初対戦についてそう語る大坂は、コーチのウィム・フィセッテが「私の頭に入りきらないくらい、相手の情報をたっぷり集めてくれるはず」と笑った。

 ちなみに、大坂が初戦で当たるオソリオは、コロンビア出身の20歳。昨年のこの時期に186位だったランキングを、一段飛ばしで駆けあがってきた。

 母親はバスケットボール選手、父親はサッカー選手で、祖父もワールドカップに出場したほどのサッカー選手(ローランド・セラーノ/1962年W杯チリ大会出場)というアスリート一家の出自。162cmと小柄だが、フットワークとボールを打ち抜く能力に優れ、スライスやボレーもそつなくこなすオールラウンダーだ。

 昨年はクレーコートで結果を残したが、11歳の時から米国フロリダ州のアカデミーを拠点とするため、ハードコートの経験も豊富。つまりは、グランドスラムの初戦で対戦する相手としては、相当に危険な選手である。

 大坂にとってのもうひとつの不安材料は、前哨戦の準決勝を棄権する理由となった腹筋のケガ。過去にも幾度か痛めてきた古傷だが、「回復は非常に早く、現時点では問題ない」と明言し、「もし何かあれば、ナナが治してくれるし」と笑顔で続けた。

 大坂の言うナナとは、トレーナーの茂木奈津子のニックネーム。「昨年はチームのみんなに不義理なことをしてしまった」と悔いた大坂だが、長年を掛け築いた信頼関係は変わらぬようだ。

 昨シーズン、「うつ状態」であることを告白した大坂にとって、乗り越えるべき最大の障壁は、彼女の内にあるのは確かだろう。それは今大会だけでなく、彼女が公言してきた「キャリアグランドスラム」や「可能なかぎり多くのグランドスラム優勝」の夢を叶えるためにも、克服しなくてはならない課題だ。

 先週の前哨戦で4カ月ぶりの実戦を戦った大坂は、試合を重ねるごとに調子を上げ、3つの白星を獲得した。前述したように、準決勝は大事をとって棄権したため、今季負け知らずのまま全豪オープンを迎えることになる。

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