大坂なおみ、無敗のまま全豪OP連覇へ。ただ課題は負けをいかに受け入れることか
ディフェンディング・チャンピオン----。
それが、1月17日に開幕が迫った全豪オープンに挑む彼女が双肩に背負う肩書だ。
「もちろん重圧は感じるし、そのことはどうしても常に考えてしまう。でも、純粋に今は、大会に出て勝ち進みたい」
少し疲れたような笑みをこぼし、大坂なおみは4度目となる"連覇"への挑戦について、そう語った。
リラックスした表情で練習する大坂なおみこの記事に関連する写真を見る「今はナーバスになっている」と本人が認めるように、タイトルを守ることへの重圧は、過去にも彼女を苦しめてきた。
2018年に全米オープンでグランドスラム(GS)初優勝した翌年は、同大会の4回戦で敗退。前年優勝者として挑んだ2020年の全豪オープン、そして2021年の全米オープンでも、いずれも3回戦で失意の敗戦を喫した。
特に記憶に新しいのは、4カ月前のニューヨーク。18歳の新鋭レイラ・フェルナンデス(カナダ)に敗れた大坂は、会見で涙を流し、「しばらくテニスから離れる」とこぼしたのだ。
そのような苦い経験を踏まえてだろうか。昨年末にメルボルンを訪れた大坂は、「今までとは異なるアプローチ方法で、グランドスラムに備えている」という。
これまで町に出ることはほとんどなく、ホテルと会場を往復するだけだった彼女が、今回は町に繰り出し、「キャンドルとお香を買った」。
お香に火を灯し、瞑想をし、さらには日記帳に日々の心境を書き留める----。それら新たなルーティンを通じ、心の緊張をほぐそうとしているようだ。
一方で、変えることのないルーティンもある。
それが、ドローを見ないこと。大会前の会見でも、話題がドローに及びそうになると、「お願いだから言わないで!」と笑いながら質問をさえぎった。
ドロー全体を見ることなく、「次の対戦相手だけ確認する」というのは、彼女のいつものスタイルだ。
だからこそ、彼女が現時点で知るのは、初戦の対戦相手がカミラ・オソリオ(コロンビア)という53位の選手だということ。ただ、そのオソリオについては「正直、何も知らない」と打ち明ける。
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