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錦織圭が口にした自信。全仏OP上位進出へ改善すべき点は2つある (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 すると、2016年のリターンレーティングは「158.1」だったのに対し、この1年(過去52週)のそれは「146.9」。このレーティングで錦織の地位を見ると、2016年は11位で、この1年は27位だった。

 さらにリターンレーティングの内訳を見ていくと、リターンゲーム獲得率が2016年は「30.2%」なのに対し、今季はここまで「22%」。錦織は「3〜4年前に比べれば、シードがないのと、戦績的にも足りないところがある」と現在地を過去に照射したが、その「戦績的に足りないところ」を生んでいるのは、このリターンの数字かもしれない。

◆錦織圭、完全復活の道筋に光。目に見えて変わった数値とは?>>

 今大会の錦織はシードがつかなかったため、ドローの早い段階から上位選手と対戦することになる。それこそ、初戦でトップ10と対戦する可能性もあった。

 だが、1回戦は予選上がりで159位のアレサンドロ・ジャネッシ(イタリア)と対戦する。そこを突破すれば、2回戦はシード選手であるが直近の対戦で勝利しているカレン・ハチャノフ(ロシア)。最悪のシナリオもあり得たことを思えば、穏当な道のりと言える。

「いい位置」からひとつずつ勝利を手にし、自信を積み上げ、そして渇望するトップ10からの勝利を掴み「いいところ」へと至る----。そんな理想のシナリオを思い描けるスタートラインに、まずは立つことができた。

好調だった2016年の錦織圭

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