大坂なおみ、会見拒否は逆効果か。集中力と精神の強さがよりプレーに必要とされている

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi
  • photo by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

 今季グランドスラム第2戦・ローランギャロス(全仏オープンテニス)1回戦で、大坂なおみ(WTAランキング2位、5月24日づけ、以下同)が、パトリシア マリア・ティグ(63位、ルーマニア)を6-4、7-6で破り2年ぶりに2回戦へ進出した。

会見拒否宣言が物議を醸すなか、全仏オープンで初戦を突破した大坂なおみ会見拒否宣言が物議を醸すなか、全仏オープンで初戦を突破した大坂なおみ 昨年、新型コロナウイルスのパンデミックによって秋に延期された全仏オープンに、大坂は出場しなかったため、2年ぶりのパリでのプレーとなったが、今回は開幕前に、自身のSNSで今大会期間中の全会見拒否宣言をして物議を醸している。

 大坂は、負けた選手への配慮のない質問は、アスリートのメンタルヘルスに多大な悪影響を及ぼすと指摘し、会見拒否者へ罰金が科せられることにも異議を申し立てた。ただし、全仏オープン大会自体やすべてのメディアを非難するものではないとしたものの、大坂への注目は、いい意味でも悪い意味でも高まった。

 大会初日、センターコートのオープニングマッチに登場した大坂は、ほとんど表情を変えずに、周囲の雑音を振り払うかのように集中したプレーを見せた。彼女が苦手としているレッドクレー(赤土)でのプレーではあったものの、中村豊トレーナーとのトレーニングによって、フィジカルとフットワークは向上しており、コートカバーリングがよくなったことがこの試合でも活かされた。

 ティグよりサーブやグランドストロークなどのショットの質で上回り、トップ選手と中堅選手の明らかな地力の差を見せつけて試合展開を優位に進めた。特にファーストサーブでのポイント獲得率は89%と非常に高かった。

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