2021.05.29

【現地発】大坂なおみの不意打ちの声明に震撼。全仏OP関係者の反応は

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「今回のローランギャロスの間、一切の記者会見を行なわないと伝えるために、この文章を書いています」

 大会開幕を4日後に控えた、現地時間5月26日の深夜近く。

 大坂なおみがソーシャルメディアで発信したこの声明は、ローランギャロス(全仏オープン)の関係者たちを慌てふためかせた。

全仏OPでの会見拒否を表明した大坂なおみ全仏OPでの会見拒否を表明した大坂なおみ この記事に関連する写真を見る  声明文の中で彼女は、「会見拒否は、大会そのものへの個人的感情から行なうわけではないし、私を若いころから取材している数人のジャーナリストとは無関係のものです。現に、ほとんどの記者とは良好な関係を築いています」と断ったうえで、次のように記している。

「人々は、アスリートの精神状態に無頓着すぎると、ほかの選手の会見を見たり、自分が会見を行なうなかで常々感じてきました」

「私はこれまで、多くのアスリートが敗戦後の会見室で打ちのめされる様を見てきたし、多くの人も同様だと思います。これは、打ちひしがれている人を足蹴にするような行為であり、それが許される道理が見当たりません」

 それらが、大坂が記した会見拒否の背景だった。

 一夜明けた5月27日。

 大会の会場で、FFT(フランステニス協会)やITF(国際テニス連盟)、WTA(女子テニス協会)の広報やメディア担当者にこの件について尋ねても、返ってくるのはいずれも「今朝起きて、彼女のソーシャルメディアを見て慌てたところだ」との答え。どうやら大坂は、大会関係者たちにも事前に伝えることなく、声明を出したようだ。

「クレー(赤土)で勝つには、慣れが何より必要だ」

 それは、大坂が全仏オープンに挑むにあたり、幾度も繰り返してきた言葉である。赤土のコートは大坂が得意とするハードコートとは異なり、イレギュラーバウンドが起きやすい。ボールが高く弾むため、ウイナーが決まりにくく、ラリーも長引きがちだ。

 そして北米育ちの大坂には、欧州の主戦場であるクレーでの試合経験が圧倒的に少ない。自分のなかに確立したセオリーが通じないため、いらだちや焦りを覚えもする。全仏の2週間前に行なわれたローマ大会では初戦で敗れ、「認めたくはないけれど、まだクレーで心地よさを感じることができない」とも認めていた。