【現地発】大坂なおみの不意打ちの声明に震撼。全仏OP関係者の反応は

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「今回のローランギャロスの間、一切の記者会見を行なわないと伝えるために、この文章を書いています」

 大会開幕を4日後に控えた、現地時間5月26日の深夜近く。

 大坂なおみがソーシャルメディアで発信したこの声明は、ローランギャロス(全仏オープン)の関係者たちを慌てふためかせた。

全仏OPでの会見拒否を表明した大坂なおみ全仏OPでの会見拒否を表明した大坂なおみこの記事に関連する写真を見る 声明文の中で彼女は、「会見拒否は、大会そのものへの個人的感情から行なうわけではないし、私を若いころから取材している数人のジャーナリストとは無関係のものです。現に、ほとんどの記者とは良好な関係を築いています」と断ったうえで、次のように記している。

「人々は、アスリートの精神状態に無頓着すぎると、ほかの選手の会見を見たり、自分が会見を行なうなかで常々感じてきました」

「私はこれまで、多くのアスリートが敗戦後の会見室で打ちのめされる様を見てきたし、多くの人も同様だと思います。これは、打ちひしがれている人を足蹴にするような行為であり、それが許される道理が見当たりません」

 それらが、大坂が記した会見拒否の背景だった。

 一夜明けた5月27日。

 大会の会場で、FFT(フランステニス協会)やITF(国際テニス連盟)、WTA(女子テニス協会)の広報やメディア担当者にこの件について尋ねても、返ってくるのはいずれも「今朝起きて、彼女のソーシャルメディアを見て慌てたところだ」との答え。どうやら大坂は、大会関係者たちにも事前に伝えることなく、声明を出したようだ。

「クレー(赤土)で勝つには、慣れが何より必要だ」

 それは、大坂が全仏オープンに挑むにあたり、幾度も繰り返してきた言葉である。赤土のコートは大坂が得意とするハードコートとは異なり、イレギュラーバウンドが起きやすい。ボールが高く弾むため、ウイナーが決まりにくく、ラリーも長引きがちだ。

 そして北米育ちの大坂には、欧州の主戦場であるクレーでの試合経験が圧倒的に少ない。自分のなかに確立したセオリーが通じないため、いらだちや焦りを覚えもする。全仏の2週間前に行なわれたローマ大会では初戦で敗れ、「認めたくはないけれど、まだクレーで心地よさを感じることができない」とも認めていた。

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大坂なおみ「ひどい振る舞い」から多くを学んだ

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