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錦織圭が口にした自信。全仏OP上位進出へ改善すべき点は2つある (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 それら戦いの内訳を見れば、錦織が口にする「自信」の言葉も重厚感が増すだろう。

 一方で、錦織自身も気にとどめるのが、そのトップ10からの勝利がない点。あるいは、ツアーでのベスト4以上の結果がまだないことだ。

「もちろん今、一番必要なのは、大きな結果......そうですね、優勝だったり、トップ10に勝つことだったり......」

 丁寧に思いをつむぐように、錦織は言葉を続ける。

「小さな自信がもう少し重なってくれると......。もうちょっとな気がするんですけれどね。その一歩がまだ踏み出せていない気がするので。そのハードルを越せればと、自分の気持ち的には感じています」

 さらには、対トップ10勝利に最も肉薄したローマ・マスターズでのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)戦を振り返り(結果は6−4、3−6、4−6)、次のように自己分析した。

「マドリード大会でいい感覚を掴んで、ローマまでつないで行けて、あの試合(ズベレフ戦)でもリードしたんですが、そこから自分で打たなくなったのが......そういうところが今の自分に足りないところだし、そこで試合に勝っていけば、もうちょっと自然に......攻めて勝ち切ることができるのかなと思うので」

 自分に問いかけるように、ところどころ言葉に詰まりながら語る声に、もどかしさの色がにじむ。

 もっともそのもどかしさは、プレー面では互角に戦えている、との手応えから来るものでもあるだろう。ズベレフ戦での反省点として本人が挙げたように、リードした時や競った局面でのプレー選択や気の持ちようが、勝敗を左右したとの悔いがある。

 同時に、今季の錦織のスタッツ(統計)に目を向けた時、過去のそれと比べて落ちているのが「ファーストサーブでのポイント獲得率」と「リターン獲得ポイント獲得率」だ。とくに"リターン力"は錦織の大きな武器だが、好調だった2016年と比べると数字でも差が見られる。

「相手のファーストサーブ」および「セカンドサーブでのリターンポイント獲得率」と、「リターンゲーム獲得率」「ブレークポイント獲得率」の4項目からはじき出す"リターンレーティング"を比較してみた。

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