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錦織圭「今年の目標はない」。
復帰戦後に語った課題と試合への飢餓感

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi
  • photo by AFLO

◆「2020年初めに今季を語った錦織圭」の記事はこちら>>

 錦織圭が迎えたツアー復帰戦は、再びコートに戻って来られた喜びと課題が見えた一戦となった。

 錦織が公式戦でプレーするのは、2019年8月30日に行なわれたUSオープン3回戦以来で約1年ぶりだ。復帰の舞台となったATPキッツビュール大会の1回戦で、第6シードの錦織(ATPランキング34位/8月31日付け)は、ミオミル・キツマノビッチ(47位、セルビア)に、6-4、4-6、2-6で敗れて復帰戦を勝利で飾ることはできなかった。

1年ぶりの復帰を果たした錦織圭。試合勘とショットの感覚を早く取り戻したいところ1年ぶりの復帰を果たした錦織圭。試合勘とショットの感覚を早く取り戻したいところ 試合前には、「1年間試合から離れて、緊張や、いろんな気持ちもありますけど、すごく楽しみです」と語っていた錦織だったが、試合の出だしはブランクを感じさせないすばらしいプレーを披露した。予想以上に足がよく動き、得意のフォアハンドをはじめグランドストロークが好調で、復帰への準備が順調だったことを伺わせた。スタートダッシュに成功した錦織は、第1セットを一気に5-0とした。

 初対戦となったキツマノビッチは、錦織と同様にフロリダのIMGアカデミーを拠点にしている期待の21歳だ。2019年に21歳以下のツアー最終戦・Next Gen ATPファイナルズに初出場してベスト4。2020年にはツアーでベスト4に2回進出して自己最高ランキングを更新している。

 錦織のプレーに対応して徐々にミスが減り始めたキツマノビッチに4ゲームを取り返されたものの、錦織はリードを活かしてセットを先取した。

「1セット目は、いいプレーもできていました。相手の出だしが遅かったのに助けられましたが、2セット、3セットと戦うのは、レベルを持続するのが難しかったです」

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