デビスカップの変革に賛否両論。
ATPカップとの問題も抱えている (5ページ目)
こういった、いびつなことが起こった背景には、長年にわたるATP(プロテニス選手協会)とITF(国際テニス連盟)の確執がある。
ITFの理事に就任したばかりの川廷尚弘氏も、「ATPと、なかなかいいコミュニケーションがとれない」とこぼすほどだ。
ATPとITFの確執の悪影響が、選手に及んでしまうことは絶対にあってはならない。そして、大事にすべきファンが置いてきぼりになるのはもってのほか。
デビスカップ大国のフランスでは、多くの関係者がデビスカップの変革に反対だったという。そんな中、フランス代表のセバスチャン・グロージャン監督は、穏やかな口調で次のように語った。
「いつ何時もわれわれは変化を求めてきました。それには時間を必要とします。だから、ことの成り行きを見守らなければなりません。もし変化を求め、(新しいフォーマットの)異なる雰囲気に適応するには、ファンにも、メディアにも、そして、選手にも時間が必要です」
デビスカップは、新しいフォーマットになったものの、今もなお岐路に立たされている。なくしてしまうにはあまりにも惜しいからこそ、今後も改善が必要な部分は改め、ファンにも選手にもできるだけ理解してもらえるデビスカップであり続けることを望みたい。
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