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デビスカップの変革に賛否両論。
ATPカップとの問題も抱えている (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 ただ、ホーム&アウェー方式ではなくなり、マドリードでの集中開催になったため、観客の大声援によって後押しされるホームコートアドバンテージを受けられるのは、スペインだけであった。

 ラファエル・ナダルを擁するスペインチームの試合は、地元の観客が詰めかけ満員になったが、他の試合はだいたい3~4割程度の観客しか入らなかった。

「マドリードまで、たくさんの日本人が応援に来てくれて、本当にうれしい気持ちでいっぱいです。でも、もっと来たかった人もいたんだろうなと思うと、以前の方がよかったのかなと思います」(内山)

「(マドリードでも)日本のファンがいてよかったけど、今日のスタンドはそんなにフルではなかったので(フランス戦はかなり空席が目立った)、ちょっと好きじゃないところです」(マクラクラン)

 初めての新フォーマットによるデビスカップ開催で、賛否両論は当然予想されたが、今回、ご意見番の役目を果たしたのがノバク・ジョコビッチだ。以前から、過酷なスケジュールの中、ツアーでの個人戦と、デビスカップの団体戦の両立は難しいと意見を述べ、時代に合ったデビスカップの変革が必要であることを訴えてきた。

「何かを成す時には、犠牲はつきものです。多くの選手が、99%の国がホームでプレーできるチャンスがなくなることについて不平を述べる。でも、今回のフォーマットは、犠牲のうえで作られなければいけなかった。個人的に最も恋しいのは、ホームであるセルビアでデビスカップをプレーすることです。

 でも、旧フォーマットからの変化した事実を支持したいとも思う。ワールドテニスとしてはもちろん、一般のワールドスポーツとして興味をもってもらうためには、旧フォーマットでは十分に機能できなかった」(ジョコビッチ)

 さらに大きな変化としては、日本のIT企業である楽天が、2019年と2020年のデビスカップ・グローバルパートナーとなり、正式には「デビスカップ by 楽天」となった。オプションとして2年間の契約延長もある。この契約には、元スペインサッカー代表で、現在FCバルセロナに所属するジェラール・ピケの投資グループ・コスモスが一枚噛んでおり、コスモスの子会社であるコスモステニスが、グローバルテニスイベントの発展に努め、デビスカップのマネジメントを行なっている。

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