2019.11.22

ジョコビッチ擁するセルビアに完敗。
予選敗退も日本が得たモノは大きい

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

「シングルス1に関しては、ノバク・ジョコビッチで間違いないと誰もが思っているでしょう。では、シングルス2の相手としては、誰を予想していますか?」

 日本が開幕戦のフランス戦を終えたあとの、記者会見の席でのこと。次の対戦国であるセルビア人の記者が日本チームの岩渕聡監督に向けて、そのような質問を投げかけた。

西岡良仁は健闘するもジョコビッチには歯が立たず 119年の歴史を誇るテニスの国別対抗戦「デビスカップ」は今季、大きな変革の時を迎えていた。

 従来は対戦国のいずれかを開催地とし、世界各地でシーズンを通して行なわれていたが、今季から18カ国が1都市に集結する、いわゆる”ワールドカップ型”フォーマットを採用。これに伴い、それまで最大5試合で決していた対戦国間の勝敗も、シングルス2試合、ダブルス1試合による短期決戦へと変更された。

 この未知なる新方式のデビスカップで、日本は前年優勝国のフランスと、ノバク・ジョコビッチ擁するセルビアと同グループに組み込まれる。その初戦でフランスに惜敗した日本は、翌日のセルビア戦に勝たなければ決勝トーナメントへの道が絶たれる状況に立たされていた。

 対するセルビアは、対日本が開幕戦。そして冒頭の記者の質問が意図するところは、5人の代表選手の誰がセルビアのシングルス2だと、日本の監督が予測しているか……という点だった。それは換言すれば、ジョコビッチ以外の選手の力は拮抗しており、オーダーを予想するのは自国の記者でも困難だったということだ。

 そしてそれは5選手のうち、ダブルス・スペシャリストのマクラクラン勉を除く4名がシングルス・ランキングで伯仲する日本にしても同様である。

 フランス戦では、73位の西岡良仁がシングルス1に、81位の内山靖崇がシングルス2とダブルスに出場したが、3番手の杉田祐一(104位)とダニエル太郎(111位)も実績的には前述の2選手と遜色ない。つまりは、誰が起用されるかはその日の体調や調子、そして対戦相手との相性が大きく影響すると見られていた。