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錦織圭が戦法変更もリベンジ失敗。
「全部よかった」はずが勝利を逃す (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 試合後の錦織の口を突いたのは、自分のプレーが取り立ててよくも悪くもないなかで、勝つべき試合を逃したというもどかしさだった。

 対するフルカチュが口にしたのは、「次の試合も戦えるのがうれしい」と言う言葉。ひとつの勝利が未知のステージへの扉を開き、新たな大勝負に挑めるという、若さの特権的な高揚感だ。

 29歳の錦織がこの先も直面していくのは、彼らのような急成長の時を謳歌する者たちの、むき出しの野心と無垢な向上心だろう。

 ランキングなどの表層的な数字だけでは、コート上での優劣は測りきれない。流動的な勢力図の渦中に、今の錦織はいる。

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