2019.03.14

錦織圭が戦法変更もリベンジ失敗。
「全部よかった」はずが勝利を逃す

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 苦手意識を抱くインディアンウェルズ(BNPパリバ・オープン)は、今年も錦織圭に厳しい結果を突きつけた。

「体調はすごくいい」と表情も明るく挑んだ大会だが、3回戦でフベルト・フルカチュ(ポーランド)に、6-4、4-6、3-6で敗れ、終焉を迎えた。

ミスを連発して顔をしかめる錦織圭 第1セットは本人も、「ボールはしっかり跳ねていたし、リターンも返せて、ほぼ全部よかった」と語るとおり、錦織が圧倒した。相手のファーストサーブの確率が低かったことも、攻勢に立つ一助となる。リターンを返し、ストローク戦に持ち込めば、錦織が打ち合いを支配した。

 対戦相手のフルカチュは、今回がBNPパリバ・オープン初参戦の22歳。この大会に入る直前にキャリア最高ランキングである67位に達したばかりの、フレッシュなニューフェイスだ。

 しかも、この長身(193cm)で物静かなポーランド人選手に勢いと自信を与えたのは、錦織だとも言える。2週間前のドバイ選手権2回戦で、フルカチュは錦織から「キャリア初の対トップ10プレーヤー勝利」を得ていたのだ。

 戦うたびに自信と勝利を得る術(すべ)を獲得する成長株は、錦織にとっても叩いておきたい相手だったはず。立ち上がりの緊張感に満ちたプレーは、そのような錦織の想いを映していた。

 一方のフルカチュは、2週間前に対戦した時と異なる錦織のプレーに、戸惑いを覚えたという。

「コンディションや環境が違うこともあるが、今日の彼はアングル(コートの左右幅を活用する、浅くて角度のついたショット)を使ってくるなど、前回とは戦い方を変えてきた」

 その錦織の変化に、立ち上がりのフルカチュは「なかなか適応できなかった」。そこで第2セットに入る前には、「多くの球種を使っていくこと」、そして何より「すべてのボールに食らいついていくこと」を考えたと言った。そして、その決意を支えたのは、前回の対戦での勝利だったという。

「前回の対戦がヒントとなり、長いラリーでも負けないとの手応えがあった」