小柄でも強くなれる。西岡良仁が
培ってきたプロになるための思考法 (3ページ目)
「どうすれば、プロになれますか?」
小学生からそう問われた西岡は、「自分で考えることがすごく大事。練習も、どうしたら球が入るか、どのコースに打つのがいいかというのを、自分でイメージしながらすること」と即答した。それは、西岡自身が幼少期から、考え方の「癖」としてきたことだという。
「僕、人に言われるのが嫌だったので。『この時は、もっとクロス打つんだよ』とか言われると、『なんでそうしなくちゃいけないんだよ』と思っちゃう。何も指示されないのも嫌ですが、言われ過ぎるのもいやなので」
面倒くさい性格なんです――。はにかんだ笑みとともに、彼がこぼす。ただ、彼の場合はその「面倒くさい性格」を、自主性と探究心へと向けていった。
それら幼少期から培った考え方の癖は、ケガで戦線を離れた9カ月間を、成長の日々とすることに大きく寄与する。食事から飲み物に至るまで見直し、発汗量や汗に含まれる成分もチェックしながら、トレーニングや試合中に、どの程度の頻度でいかなる栄養素を取るべきか割り出した。
その帰結として、ツアー優勝を手にし、世界の75位に至った今、西岡は負傷前に達した58位当時よりも今の自分のほうが強いと断言する。
「間違いなく、今のほうが強いと思います。あの時(58位に達した昨年3月)は勢いで勝っていた部分が大きかった。でも今は、それほど勝ちまくっていたわけではなく、徐々に戻ってきたなと感じたなかで優勝できた。今のほうが地力がある、実力がついてきての勝利かなと思います。
一番よくなったのは、やっぱりフィジカルですね。優勝した大会は8日間で7試合戦い、2時間半の試合も3つやったんですが、それでも疲れをあまり感じなくて。もちろん、アドレナリンが出ている興奮状態でもあったけれど、ちゃんと戦い抜けたんです。しかも、あの時はケアトレーナーを帯同せず、マッサージを受けてないなかでもいいプレーを継続できたので、そこは成長していると思います」
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